19日に開催されたプレメモフェスタ。
私は諸事情により参加しなかったが、10勝商品が大々的に公式HPで宣伝されていながら10時開始の17時終了のガンスリに最初から並んでわずか6~7戦しかできなかったことを考えると今回のイベントは失敗といわざるを得ない。
物販ですら10時開始なのに12時半現在で入れなかった人もいたしね。
この記事では、当日までに運営側が行った点の個人的評価や、もし自分が運営側の立場ならこのイベントの惨状を回避できたのか?運営側も回避不可能で、本当にどうしようもなかったのか?ということを検証したい。
もちろん俺にこの規模のイベントを運営した経験もなければスタッフになった経験すらないけどw
○目的
そもそも、プレメモフェスタとは一体何のためにやる必要があるのだろうか?
会社側からしたら何の利益にもならないことを何日も稼動割いてお金もかけて、メリットがない。
しかしながら、他TCGの豪華イベントに比べてプレメモのイベントが一切何もないのは流石に商売敵が毎度のように大規模イベントを開催しており、かつそのイベントが充実していることからプレメモには開催しないのかというユーザの不満もあるだろうし、モチベの高いプレーヤーなら他TCGに移ってしまう。
そもそも今回のイベントは後の展開を考えても、顧客へのプロモーションを行い好印象を与える意味でも非常に重要。
上手くいけば今後の売り上げ大幅UPに繋がるため、多少血を見ても成功させる必要があった。
さて問題は、プレメモ購買者=顧客とは一体どんな人物か、ということである。
Lyceeのように分かりやすく購入者≒プレーヤーというわけではなく、プレメモは購入者が必ずしもプレーヤーになるとは限らないTCGである。
パックに封入されているシールを300pt集めると直筆サインが貰える以上、声優ファンもそれなりにいると見てまず間違いないだろう。
また原作人気もすさまじく、けいおんは関連グッズになるとローソンの商品を一瞬で買い尽くされることから考えてもプレメモをただのトレカとしてしか見てない人も少なからずいると思う。
むしろカートン購入者だとコレクターの方が多いまである。
売り上げで見た場合、コレクターとプレーヤーではプレーヤーが上回っているのかすら怪しい。
これらから考えて、購入者層のイメージアップを図るには単にTCGの対戦イベントを開催すればよいというわけではなく、より多くの原作を取り入れたり、声優によるイベントを開催する必要もあるだろう。
この観点で言うと当日に行うイベントの内容の充実さはある程度評価できるといえる。
○当日までにやること
以下にあげることが全てだとは思わないけど、少なくともコレをやってれば改善できたんじゃないの?ということをつらつらと書いてみる。
・イベント内容とタイムスケジュールの決定
これはどのイベントでもいっしょなのである程度のノウハウがあればすぐできること。
でも今回のように声優イベントをやる場合は、借りた会場のうちたった30分かそこらしか使わないスペースを延々開放し続けないといけないことになるから、このスペースは何か考えないといけないね。
例えば初心者講習会をこのスペースでやってしまって、早い時間に打ち切ってあとは卓を撤収して声優イベントの客席に充てるとか色々方法はあった。
最後にスタンディングイベントが待ってると撤収も楽だろうし。
もちろん初心者コーナーは広めにとって、撤収したあとの卓を固められる場所がプラスで必要。
初心者コーナーがあまりにも広すぎるってんなら他にいろいろ限定構築とか考えたら良いよ。
例えばキャラ単とかさw
もちろん、決定したイベント内容とタイムスケジュールについては十分にシミュレーションしなきゃいけない。会場の見取り図を適当にホワイトボードに書いて、マグネットを観客やスタッフに見立てていつ何をどこにどうするとか、意識あわせは十分やる必要がある。机上検討よりこれをやるほうが遥かに問題点に気づきやすいし。
もっと言うとこのシミュレーションの前にある程度のシナリオを書いておいて、そのシナリオを頭に入れながら他のイベントの偵察やるとか、事前にやってプラスになることなんていくらでもある。
稼動見合いの取捨選択になったんだろうけど、どれをやってどれをやらなかったか。気になるね。
・来場者数の予測と会場選び
今回のイベントにおいて最も難しく、失敗してしまったのがコレ。
上記の事情もあり予測はとても難しかった。
ライトユーザやプロモ目当てのコレクターがいったいどれぐらいいるのか、正確な予想をするのは凄く難しい。
来場者予想は後の会場選びにも関わってくるので非常に重要である。
会場が狭すぎると参加者の殆どがイベントそのものを楽しむ時間が大幅に少なくなってしまうし、会場が広すぎると参加者にプレメモそのものに対する不安感を煽りかねない。
(キャパ1,000のハコに100入るのと、キャパ100のハコに100入るのでは満員感が違う)
ちょうど良いサイズの会場を選択するということは非常に難しい。
今回来場者を予測する一つのツールとして考えられるのは公式or声優イベントのハガキ。
普通に考えたらハガキ募集なんて絶対やらないだろうけど、今回はそれが好転するチャンスだってあったよ。
定員に対して、ハガキというめんどくさいツール使ってまで応募してきた人が一体どれだけいて、その中にどれだけ関東圏の人間がいるかとかさ、予想ツールぐらいにはなるでしょ。
それに物販目当ての人をちょいちょい足したらいいだけじゃん。
今回の応募総数はぜひとも知りたいところ。
他のTCGの動向から考えて、やったこととして他に考えられるのは直近数ヶ月の公認大会の参加者の合計と、売り上げの累計の比を見るとかね。
会場を決定するという段階で、プレメモの大会参加者がどんな状況だったか。
公式HPに掲載されたのがイベント開催の大体2ヶ月ぐらい前で、会場が決まるまでには実際はそれよりさらに前に動かないといけないから実際には8月中~9月頭、遅くて9月中ごろかな?
ちょうどひだまりの発売前後で、プレメモ自体が相当下火になってた頃ということになるね。
運営に同情するわけじゃないけど、俺がもし同じ時期に会場取るにしてもUDXとほぼ同じぐらいの規模の会場を押さえていたかもしれない。
当時の廃れっぷりはガンスリ込みでも十分UDXに収容できたと思わせるぐらいだったし。
公式大会だってホントは来場者全員参加にしたかったんだろうけど、もし128人以上集まったら文句言われるの確実だからしょうがなく抽選にしたってことじゃないかな。
俺が予想するにしても、9月の段階でこの人数が来ることはさすがに予想仕切れないと思う。
後、コレクター/プレーヤー比もそうだけどプレーヤーの中でも店舗大会に出るガチプレーヤー/出ないカジュアルプレーヤーの比率も他のTCGのそれとは大きく違う数字が出そう。
フェスタでプレーヤーがたくさんいることは分かったけど、翌日以降や直前の都内の公認大会の参加者はどうだったのかな?
今回のイベントにおいて、正確にガンスリに来る人数を会場を押さえる時期にどうやったら正確に把握できたかは今後も議論していく必要がある。
まあ、それにしたってその後にけいおん2が出ることは確定していたわけだから、そのけいおん2を信じきれなかった会社に責任があることに変わりはないけどね。
ローソン事件がある前だとしてもけいおん人気なんて今年のCD売り上げで十分認識できるとは思う。
情緒酌量の余地はあるけど、会社側に何の落ち度もなかったか、本当に予想は困難だったかと言われると、必ずしもそうとは言い切れないってところで決着としよう。
・会場選択
来場者予測が終わったら、次に待ってるのはいよいよ会場の選択。
今回どんな手段で来場者を予測したのか知らないけれど、結果として今回のイベントの会場に秋葉原UDXを使ったのは失敗であったといわざるを得ない。会場が狭すぎたのである。
声優イベントや公式イベントは元々参加者が決まっているから会場のスペースに影響はしないが、物販やガンスリ等の自由参加型イベントはそうは行かなかった。
物販は牛歩の列、ガンスリンガーは寒空の下で約1時間弱待って1戦したらまた数十分外で待機…
とてもじゃないが、こんな罰ゲームのようなイベント私なら参加しなくない。
声優イベントか公式大会が目当てで参加した人以外はかなり不満の残ったイベントじゃないかな。
さっきの来場者予測が難しく、大規模イベントを開催するのは初めてということもあって、ここは予算を大目に積んでキャンセル料払ってでも違う規模の大きさの会場を複数予約して参加者の予想をつけてからリリースしてしまうぐらいのことしたってバチは当たらないと思うよ。
ライトユーザーに良い思いさせてこれからの顧客にするか、二度と来るかと思わせて自社製品のアンチ兼商売敵の顧客を量産するか。
費用対効果考えても人間のファーストインパクトってのにはそれぐらいの価値はあると思うけどね。
※番外…秋葉原UDXという会場のコストパフォーマンスについて
今回利用されたのは秋葉原UDXの4階にあるUDXギャラリーである。
この開場使用料を見てみると、最も安いプランですら約40万ということになる。
一方、Lyceeやボーマス等でよく使用される浜松町の都産貿や大田区産業プラザ・PiO、綾瀬の足立区勤労福祉会館の値段は、以下となる。
UDX:560m^2/800,000円(最高プラン)
都産貿:1670m^2/351,300円+延長1時間92,000円
PiO:1160m^2/300,000円
※施設の利用は抽選会が必要なため確実性に欠ける/値段半額で半面での使用も可
/区民以外は2割り増し
綾瀬:305m^2/26,000円
どの会場も営利目的なら5割増なのでそこは考慮に入れない。
ご覧のように公式大会をやるだけなら綾瀬、ガンスリをやるにしても1m^2あたりの値段で都産貿のがコストパフォーマンスで見れば圧倒的に良いと言わざるを得ない。
更に言えば、予算がもし本当に80万あった場合は上記で触れた「規模の異なる会場を複数予約し、直前でリリース」が可能だったのである。
探せばUDXクラスの会場でかつ小規模の会場も探せばいくらでもあると思う。
イベント会場としてのUDXは「秋葉原」ということにしか価値がなく、今回のけいおんやひだまりといったどちらかというとライトユーザーにウケてるようなTCGにそこまで「秋葉原」が重要とは思えない。
大規模イベントをやるにしても都産貿orPiOでよかった。
会場選びの時点でそもそものリサーチが足りていないように思う。
思うにUDXの80万はUDXスタッフによる事前打ち合わせやプランニング込みで言ってるんだろうけど、イベントの来場者予測なんてUDX借りる側にしか分かんないし、当日のノウハウだって今後のことを考えれば自前のスタッフでできることに越したことはないんだから、UDXのスタッフにお金を落とす必要なんて一切ないよね。
俺が経営者ならPiOの半面借りることにして、差額は実に65万。
この65万にもういくらか足して自社スタッフの人件費に充てて、関係者全員休日出勤でさまざまなTCGイベントに参加させて(もちろん当日の運営・進行は全員認識済み)、それぞれの良かったところや悪かったところを検討させて、自分たちのイベントのプランを修正するぐらいはできそうなもん。
反省会には元々稼動積んでるだろうし、事前のプランニングをやってればやってるほど反省会にも深みが増すだろうからそこまで損はしないと思うけどなー。
複数借りてリリース作戦でも良かったけど、まずは最初なんだし、スタッフの学習にお金を使いたいところ。
次回も同規模の予算を組んでもらって初めて複数会場押さえてリリースを使える。
・公式イベント、声優イベントの参加者決定
声優イベントの参加者決定の方法は俺もあれが一番納得のいく方法だとは思う。
とは言え外れた人の3pt無駄にさせてることは事実なんだから、どうせなら応募に必要なptを20ptぐらいにして外れた人に20pt分の景品(デッキケースだっけ)を送るぐらいのきめ細かさはあっても良かったかもね。
当たった人はプレミア感が増すイベントに参加できて、何の苦労もしてないのに同じ内容のイベントをやるとしても満足度は全然違っただろうし、外れた人も一応pt相当のものは貰えるから納得はいく。
さすがにこれは他にやるべきことを差し置いてここまでする必要性があるのかという疑問もあるけどw
あくまで出来たら良かったねって話。
今回の公式の方法でも全然良かったと思うよ。
これとは全然違って、既存のそれもお得意さまであるヘビーユーザーにとっては、今回の公式大会の参加者の決定方法に少なからずとも不満の残る結果となんったんじゃないだろうか。
ここは他TCGのやり方を丸パクリしてでも、店舗大会で予選を行いつつ、勝ち抜いた人間のみ本戦の大会に参加できるオーソドックスなやり方の方が良かったよ。
初めての公式大会でありながら、優勝した人がどれだけ強くても参加できなかった人間には「自分が参加していたら…」という悔いが残ってしまうし、優勝したデッキについてだって本当にその人が強かろうが、カジュアルプレーヤー率が予選やらないより高くなる以上ケチをつける人も出てくるだろうからね。
店舗大会を勝ち抜いて本選に参加する場合は地方遠征者のモチベも上がる。
地方遠征者のモチベが上がるということは、この手のTCGにありがちな首都圏のみ売り上げが高くて他の地域じゃ人口比で見ても売り上げさっぱり…ということを回避できたかもしれない。
何よりプレーヤー層では最も売り上げに貢献してくれるユーザたちのやる気を削いでしまうというデメリットは大きすぎる。
自社の製品のセールスをする意味でも、やっぱり店舗予選はやるべきだったよ。
抽選やるにしても応募媒体がハガキってのはまずかったね。
シールという物理的なモノの移動が発生する声優イベントと違って、公式大会の応募をハガキにこだわる理由なんてどこにもない。
普通にメールで募集して当選者を公式HPで発表、キャンセル待ちは優先順位つけて発表とかでも良かったと思うけどなー。
手間隙かけてハガキ書くの本当に面倒だったし、メールじゃ駄目な理由が最後まで分からなかった。
どうせ入場の時点で身分証明書提示しなきゃいけないんだから不正なんてやるだけムダでしょ。
○当日やること
・物品移動、設営、誘導
どのイベントにも共通してるのがコレ。
今回の参加者の日記を見る限り、この手のイベントにありがちな「どれがどの列か分からない」という混乱は殆どなく、並ぶ列は明確に分かっており、誘導もしっかりしていたという意見は見られる。
ここはきっちり評価して、何で良かったのかを明確にして次に受け継ぎたいね。
このイベントの数少ない評価ポイント。
問題なのは、これができたのはUDXのスタッフの運営力や打ち合わせがあったかどうか。
会社独自でこの誘導や設営が出来たんなら良いけど、UDXのスタッフの力だけで誘導が成り立ってたんなら次回以降はUDXスタッフのノウハウを十分吸収しなきゃいけない。
上手くいったことこそ何故上手くいったかを振り返るのは重要。
・公式イベント
決められた席数で淡々とこなすだけで、他TCGと比べるべきポイントというポイントもない。
強いて言うなら決勝卓を大画面で映して(やってたらしいね)、ustreamで中継するとか、もっと工夫しようと思えば出来る余地はあった。
そこまでお金をかけない方法でも現地にいない人間に優勝者決定の瞬間をリアルタイムで共有させて「イベントに参加してる感」を出すことは可能だったように思える。
現地にいない人間に「イベント参加してる感」が出たら、さっきもちょっと触れたけど「大会に実際に参加したい感」は醸し出せるし、それで次予選抜けたら出たくなるよね。
一見当日の進行には何の反省点もないように見えるけど、他TCGでやってることを取り入れればまだまだ改善点はあるだろうし、プレメモならではの工夫とかもガンガンやるべき。
メインイベントの1つなんだから。
・声優イベント
スペースの点でも触れたけど、実際のタイムスケジュールは結局観客側のスペースを作らないといけないような日程になってしまったっぽいね。
ここは流石に出演する声優との調整が必要な部分だから開催側じゃどうにも出来ないけど、検討くらいはすべきだったんじゃないかな。
声優イベントをやるって発想が出たのは評価するべきかなーとは思う。
・物販
当日にやったイベントの中で恐らく最も失敗したのがコレ。
失敗した点と原因を結びつけて考えてみる。
(原因は複数あるだろうけど、一番大きなものを考えてみた)
1.物販の進行が遅かった
→簡単なノウハウ収集やシミュレーションを怠った
2.早い時間帯に売り切れを出してしまい、商機を逃してしまった
→需要予測が外れてしまい、発注数を誤った
1.について。
マイミクによると、物販開始より前に並んで12時半で買えずに列を抜けたらしい。
どうやったらこんなに物販が遅くなるのか想像も出来ない。
レジが何個あったのかは俺にはわからないけど、まさか1つじゃないだろうし、少なくともこのイベントの唯一の経済活動なんだから会社側は絶対力を入れるべき。
…にしても、ノウハウ収集やシミュレーションを怠った理由はマジでわかんない。
大体、この手のイベントの物販って、1人の客に1分以上かけたらそれで失格。
会場を押さえるのと違って、物販だけは来場者予測にハガキも使えて当日は当初計画より多くの来場者が出ることが予測できたんだから、行列が出来ることも当然予測できたはず。
つまり販売スタッフには1分1秒でも早く客を捌くことが求められる。
…こんな販売ノウハウ、今の時代に検索すればいくらでも出てくるよねw
例えば夏に参加した水樹奈々のドームライブの物販だと、
★レジを複数用意する
★物販で売るものを列の途中に見せ、客にレジに到着した時点で何を何個買うか決めさせる
★客に、商品名じゃなく番号で指定させる
★レジ側に客に対応する側と品出し側でチーム作る
★当然、商品の値段は丸めて会計で細かいお金を使わせないようにする
少なくともこれぐらいはやってた。スタッフの合図とかにも意味があっただろうし、多分当日雇われたバイトでも難なくこなせるぐらいシステム化されてたと思う。
問題はこんな誰でも思いつきそうで、ググればすぐに出てきそうなことを一切やってなかったこと。
来場者予測や、後述する需要予測という不確定要素が絡んでいるモノと違ってこんなの稼動考えても検索1時間してミーティングにちょっと持って行くだけでしょ。シミュレーションもネットに乗ってるノウハウをホワイトボードとマグネット使って実践するぐらい簡単にできそうだし。
多く見積もって2時間ぐらいの稼動をケチる理由が分からなさ過ぎる。
何でもそうだけど、仕事をやる上で出来ないことや難しいことをやる必要なんて一切ないし出来なくても文句は言わないけど、誰でも簡単に出来ることをサボって客に迷惑かけるのは会社として許されないよね。
当然ながら今回客に与えたマイナスイメージで失った損失は2時間の稼動なんかとは比べもんにならんと思うよ。
その点で言うと2.は難易度が高かったなー。
モノ作りの工程がある以上発注期限内に今回のイベントで希望者全員に行き渡る(ある程度の売れ残りが出てもかまわない)ぐらいの数を発注する勇気を持つ必要があったかと言われると、難しいよね。
最も信用できる来場者予想ツールであるハガキの数だって、とてもじゃないけど発注期限に間に合ったとは思えない。
しかしながら今回は明らかに商機逸脱で、もし希望者全員に行き渡らせた場合の利益と在庫を抱えてしまった場合の損失を考えたら、会社に出入りするお金のプラマイで考えると絶対値はほぼ同じなんじゃないかと思う。
サプライ系は競争が激しいけど、例えばけいおんバインダーとかなら他TCGプレーヤーにもある程度売れるだろうし、現状の梓や澪のスリーブに定価以上の値段がついてることを考えてもある程度余らせるぐらいの気持ちで作っても良かったのかもしれないね。
結果論だけど、現実にはそれぐらいの気持ちで作ったとしても完売なんだし。
それに案外プレメモプレーヤーってサプライに入ってるプロモ1枚から生まれるのかも知れないしさ。
難易度は高いけど、やるやらないのメリットデメリットを冷静に比較して、完全に回避不可能か?と言われるとそうでもないというところで決着か。
・物販や来場者特典で配った紙袋
会場選びで散々コキ下ろしたUDXだけど、他の会場には絶対にまねできないUDXならではのメリットもあるにはあった(というか、これのために差額をあえて支払ったんだと思うぐらいのメリット)。
宣伝効果である。
秋葉に行くぐらいの人だからプレメモ参戦作品のうち1つくらいは知ってるだろうし、その人たちの数%でも未来のユーザーになってくれたら、差額なんて余裕で取り戻せるぐらい、UDXの立地そのものは良かった。
UDXは秋葉の駅から電気街に行くまでに必ず通るから、まず通行人に「何かイベントやってるな」とは思わせることができる。
あの大型モニターを使って延々宣伝するのは少なからずとも何らかのメリットに働くだろう。
さて、実際当日はどうだったのか?
イベント当日のプレメモ知らない人にとってプレメモフェスタが与えたファーストインパクトは「何かイベントやってるな」以上に「何あのすごい人だかり」という、自社製品のプラスイメージよりはるかに大きなマイナスイメージを与えてしまったことは事実だ。
他にも紙袋を持っている人が秋葉周辺を練り歩いてくれることも宣伝の1つとして十分使える方法だったけど、デザインが思いのほか地味で、何の紙袋なのか分からなかったのは残念。
ここはイカ娘あたりに「カードゲームやらなイカ?」「カードの世界を侵略するゲソ!」とか景気のいいこと言わせたり、桐乃に適当な台詞言わせるとか(ごめん何も思い浮かばなかったw)、自社製品と参戦キャラが直接的に結びつくような、一目見て何のイベントかわかるような紙袋にすべきだったよ。
オタク紙袋は参加者の心理的にも他の会場じゃハードル上がるだろうしね。
他にもちょっとの工夫で色々出来たことなんていっぱいあるんだろうけど、総じて言えることとして、会場費が高いというデメリットがあっても秋葉原駅前徒歩数分で通行人の視線が集まるメリットのあるUDXを選択しておきながら、その好条件を最大限にイカせているかといったら全然出来てないじゃなイカ!と言わざるを得ないでゲソ!!!
…ごめん酒飲みながら裂きイカとイカの塩辛食ってたら文章のテキトーさが増大してしまったw
○まとめ
今回のイベントについて色々書いてきたけど、一番重要なのは会社側がこのイベントを「失敗した」と捉えて、次の大規模イベントに今回の反省点を反映して、同じ失敗を繰り返さないことだよね。
幸い他TCGの酷いイベント見せ付けられて鍛えられてる客は大体初回はこんなもんかって思ってくれてるし、次回で巻き返したら今回の酷さがベースだから印象大幅アップのチャンスとも捉えることができる。
また近々大きなイベントをやって、今度こそ大成功させて欲しい。
まかり間違っても今回のイベントを「人が集まったし大成功だ!」とか勘違いして、今回と同じ失敗を繰り返さないようにしないと。
仏の顔も3度までとはよくいうけど、今回のファーストインパクトでおなかいっぱいの人は次は来ないから、次のフェスタに来るのは本当のお客さんだよ。
そこで似たような失態を犯したら、3度待たずに見放すだろうね。
プレメモの今後の発展を祈るからこそ、会社側にはこれぐらい謙虚に受け止めて欲しい。
私は諸事情により参加しなかったが、10勝商品が大々的に公式HPで宣伝されていながら10時開始の17時終了のガンスリに最初から並んでわずか6~7戦しかできなかったことを考えると今回のイベントは失敗といわざるを得ない。
物販ですら10時開始なのに12時半現在で入れなかった人もいたしね。
この記事では、当日までに運営側が行った点の個人的評価や、もし自分が運営側の立場ならこのイベントの惨状を回避できたのか?運営側も回避不可能で、本当にどうしようもなかったのか?ということを検証したい。
もちろん俺にこの規模のイベントを運営した経験もなければスタッフになった経験すらないけどw
○目的
そもそも、プレメモフェスタとは一体何のためにやる必要があるのだろうか?
会社側からしたら何の利益にもならないことを何日も稼動割いてお金もかけて、メリットがない。
しかしながら、他TCGの豪華イベントに比べてプレメモのイベントが一切何もないのは流石に商売敵が毎度のように大規模イベントを開催しており、かつそのイベントが充実していることからプレメモには開催しないのかというユーザの不満もあるだろうし、モチベの高いプレーヤーなら他TCGに移ってしまう。
そもそも今回のイベントは後の展開を考えても、顧客へのプロモーションを行い好印象を与える意味でも非常に重要。
上手くいけば今後の売り上げ大幅UPに繋がるため、多少血を見ても成功させる必要があった。
さて問題は、プレメモ購買者=顧客とは一体どんな人物か、ということである。
Lyceeのように分かりやすく購入者≒プレーヤーというわけではなく、プレメモは購入者が必ずしもプレーヤーになるとは限らないTCGである。
パックに封入されているシールを300pt集めると直筆サインが貰える以上、声優ファンもそれなりにいると見てまず間違いないだろう。
また原作人気もすさまじく、けいおんは関連グッズになるとローソンの商品を一瞬で買い尽くされることから考えてもプレメモをただのトレカとしてしか見てない人も少なからずいると思う。
むしろカートン購入者だとコレクターの方が多いまである。
売り上げで見た場合、コレクターとプレーヤーではプレーヤーが上回っているのかすら怪しい。
これらから考えて、購入者層のイメージアップを図るには単にTCGの対戦イベントを開催すればよいというわけではなく、より多くの原作を取り入れたり、声優によるイベントを開催する必要もあるだろう。
この観点で言うと当日に行うイベントの内容の充実さはある程度評価できるといえる。
○当日までにやること
以下にあげることが全てだとは思わないけど、少なくともコレをやってれば改善できたんじゃないの?ということをつらつらと書いてみる。
・イベント内容とタイムスケジュールの決定
これはどのイベントでもいっしょなのである程度のノウハウがあればすぐできること。
でも今回のように声優イベントをやる場合は、借りた会場のうちたった30分かそこらしか使わないスペースを延々開放し続けないといけないことになるから、このスペースは何か考えないといけないね。
例えば初心者講習会をこのスペースでやってしまって、早い時間に打ち切ってあとは卓を撤収して声優イベントの客席に充てるとか色々方法はあった。
最後にスタンディングイベントが待ってると撤収も楽だろうし。
もちろん初心者コーナーは広めにとって、撤収したあとの卓を固められる場所がプラスで必要。
初心者コーナーがあまりにも広すぎるってんなら他にいろいろ限定構築とか考えたら良いよ。
例えばキャラ単とかさw
もちろん、決定したイベント内容とタイムスケジュールについては十分にシミュレーションしなきゃいけない。会場の見取り図を適当にホワイトボードに書いて、マグネットを観客やスタッフに見立てていつ何をどこにどうするとか、意識あわせは十分やる必要がある。机上検討よりこれをやるほうが遥かに問題点に気づきやすいし。
もっと言うとこのシミュレーションの前にある程度のシナリオを書いておいて、そのシナリオを頭に入れながら他のイベントの偵察やるとか、事前にやってプラスになることなんていくらでもある。
稼動見合いの取捨選択になったんだろうけど、どれをやってどれをやらなかったか。気になるね。
・来場者数の予測と会場選び
今回のイベントにおいて最も難しく、失敗してしまったのがコレ。
上記の事情もあり予測はとても難しかった。
ライトユーザやプロモ目当てのコレクターがいったいどれぐらいいるのか、正確な予想をするのは凄く難しい。
来場者予想は後の会場選びにも関わってくるので非常に重要である。
会場が狭すぎると参加者の殆どがイベントそのものを楽しむ時間が大幅に少なくなってしまうし、会場が広すぎると参加者にプレメモそのものに対する不安感を煽りかねない。
(キャパ1,000のハコに100入るのと、キャパ100のハコに100入るのでは満員感が違う)
ちょうど良いサイズの会場を選択するということは非常に難しい。
今回来場者を予測する一つのツールとして考えられるのは公式or声優イベントのハガキ。
普通に考えたらハガキ募集なんて絶対やらないだろうけど、今回はそれが好転するチャンスだってあったよ。
定員に対して、ハガキというめんどくさいツール使ってまで応募してきた人が一体どれだけいて、その中にどれだけ関東圏の人間がいるかとかさ、予想ツールぐらいにはなるでしょ。
それに物販目当ての人をちょいちょい足したらいいだけじゃん。
今回の応募総数はぜひとも知りたいところ。
他のTCGの動向から考えて、やったこととして他に考えられるのは直近数ヶ月の公認大会の参加者の合計と、売り上げの累計の比を見るとかね。
会場を決定するという段階で、プレメモの大会参加者がどんな状況だったか。
公式HPに掲載されたのがイベント開催の大体2ヶ月ぐらい前で、会場が決まるまでには実際はそれよりさらに前に動かないといけないから実際には8月中~9月頭、遅くて9月中ごろかな?
ちょうどひだまりの発売前後で、プレメモ自体が相当下火になってた頃ということになるね。
運営に同情するわけじゃないけど、俺がもし同じ時期に会場取るにしてもUDXとほぼ同じぐらいの規模の会場を押さえていたかもしれない。
当時の廃れっぷりはガンスリ込みでも十分UDXに収容できたと思わせるぐらいだったし。
公式大会だってホントは来場者全員参加にしたかったんだろうけど、もし128人以上集まったら文句言われるの確実だからしょうがなく抽選にしたってことじゃないかな。
俺が予想するにしても、9月の段階でこの人数が来ることはさすがに予想仕切れないと思う。
後、コレクター/プレーヤー比もそうだけどプレーヤーの中でも店舗大会に出るガチプレーヤー/出ないカジュアルプレーヤーの比率も他のTCGのそれとは大きく違う数字が出そう。
フェスタでプレーヤーがたくさんいることは分かったけど、翌日以降や直前の都内の公認大会の参加者はどうだったのかな?
今回のイベントにおいて、正確にガンスリに来る人数を会場を押さえる時期にどうやったら正確に把握できたかは今後も議論していく必要がある。
まあ、それにしたってその後にけいおん2が出ることは確定していたわけだから、そのけいおん2を信じきれなかった会社に責任があることに変わりはないけどね。
ローソン事件がある前だとしてもけいおん人気なんて今年のCD売り上げで十分認識できるとは思う。
情緒酌量の余地はあるけど、会社側に何の落ち度もなかったか、本当に予想は困難だったかと言われると、必ずしもそうとは言い切れないってところで決着としよう。
・会場選択
来場者予測が終わったら、次に待ってるのはいよいよ会場の選択。
今回どんな手段で来場者を予測したのか知らないけれど、結果として今回のイベントの会場に秋葉原UDXを使ったのは失敗であったといわざるを得ない。会場が狭すぎたのである。
声優イベントや公式イベントは元々参加者が決まっているから会場のスペースに影響はしないが、物販やガンスリ等の自由参加型イベントはそうは行かなかった。
物販は牛歩の列、ガンスリンガーは寒空の下で約1時間弱待って1戦したらまた数十分外で待機…
とてもじゃないが、こんな罰ゲームのようなイベント私なら参加しなくない。
声優イベントか公式大会が目当てで参加した人以外はかなり不満の残ったイベントじゃないかな。
さっきの来場者予測が難しく、大規模イベントを開催するのは初めてということもあって、ここは予算を大目に積んでキャンセル料払ってでも違う規模の大きさの会場を複数予約して参加者の予想をつけてからリリースしてしまうぐらいのことしたってバチは当たらないと思うよ。
ライトユーザーに良い思いさせてこれからの顧客にするか、二度と来るかと思わせて自社製品のアンチ兼商売敵の顧客を量産するか。
費用対効果考えても人間のファーストインパクトってのにはそれぐらいの価値はあると思うけどね。
※番外…秋葉原UDXという会場のコストパフォーマンスについて
今回利用されたのは秋葉原UDXの4階にあるUDXギャラリーである。
この開場使用料を見てみると、最も安いプランですら約40万ということになる。
一方、Lyceeやボーマス等でよく使用される浜松町の都産貿や大田区産業プラザ・PiO、綾瀬の足立区勤労福祉会館の値段は、以下となる。
UDX:560m^2/800,000円(最高プラン)
都産貿:1670m^2/351,300円+延長1時間92,000円
PiO:1160m^2/300,000円
※施設の利用は抽選会が必要なため確実性に欠ける/値段半額で半面での使用も可
/区民以外は2割り増し
綾瀬:305m^2/26,000円
どの会場も営利目的なら5割増なのでそこは考慮に入れない。
ご覧のように公式大会をやるだけなら綾瀬、ガンスリをやるにしても1m^2あたりの値段で都産貿のがコストパフォーマンスで見れば圧倒的に良いと言わざるを得ない。
更に言えば、予算がもし本当に80万あった場合は上記で触れた「規模の異なる会場を複数予約し、直前でリリース」が可能だったのである。
探せばUDXクラスの会場でかつ小規模の会場も探せばいくらでもあると思う。
イベント会場としてのUDXは「秋葉原」ということにしか価値がなく、今回のけいおんやひだまりといったどちらかというとライトユーザーにウケてるようなTCGにそこまで「秋葉原」が重要とは思えない。
大規模イベントをやるにしても都産貿orPiOでよかった。
会場選びの時点でそもそものリサーチが足りていないように思う。
思うにUDXの80万はUDXスタッフによる事前打ち合わせやプランニング込みで言ってるんだろうけど、イベントの来場者予測なんてUDX借りる側にしか分かんないし、当日のノウハウだって今後のことを考えれば自前のスタッフでできることに越したことはないんだから、UDXのスタッフにお金を落とす必要なんて一切ないよね。
俺が経営者ならPiOの半面借りることにして、差額は実に65万。
この65万にもういくらか足して自社スタッフの人件費に充てて、関係者全員休日出勤でさまざまなTCGイベントに参加させて(もちろん当日の運営・進行は全員認識済み)、それぞれの良かったところや悪かったところを検討させて、自分たちのイベントのプランを修正するぐらいはできそうなもん。
反省会には元々稼動積んでるだろうし、事前のプランニングをやってればやってるほど反省会にも深みが増すだろうからそこまで損はしないと思うけどなー。
複数借りてリリース作戦でも良かったけど、まずは最初なんだし、スタッフの学習にお金を使いたいところ。
次回も同規模の予算を組んでもらって初めて複数会場押さえてリリースを使える。
・公式イベント、声優イベントの参加者決定
声優イベントの参加者決定の方法は俺もあれが一番納得のいく方法だとは思う。
とは言え外れた人の3pt無駄にさせてることは事実なんだから、どうせなら応募に必要なptを20ptぐらいにして外れた人に20pt分の景品(デッキケースだっけ)を送るぐらいのきめ細かさはあっても良かったかもね。
当たった人はプレミア感が増すイベントに参加できて、何の苦労もしてないのに同じ内容のイベントをやるとしても満足度は全然違っただろうし、外れた人も一応pt相当のものは貰えるから納得はいく。
さすがにこれは他にやるべきことを差し置いてここまでする必要性があるのかという疑問もあるけどw
あくまで出来たら良かったねって話。
今回の公式の方法でも全然良かったと思うよ。
これとは全然違って、既存のそれもお得意さまであるヘビーユーザーにとっては、今回の公式大会の参加者の決定方法に少なからずとも不満の残る結果となんったんじゃないだろうか。
ここは他TCGのやり方を丸パクリしてでも、店舗大会で予選を行いつつ、勝ち抜いた人間のみ本戦の大会に参加できるオーソドックスなやり方の方が良かったよ。
初めての公式大会でありながら、優勝した人がどれだけ強くても参加できなかった人間には「自分が参加していたら…」という悔いが残ってしまうし、優勝したデッキについてだって本当にその人が強かろうが、カジュアルプレーヤー率が予選やらないより高くなる以上ケチをつける人も出てくるだろうからね。
店舗大会を勝ち抜いて本選に参加する場合は地方遠征者のモチベも上がる。
地方遠征者のモチベが上がるということは、この手のTCGにありがちな首都圏のみ売り上げが高くて他の地域じゃ人口比で見ても売り上げさっぱり…ということを回避できたかもしれない。
何よりプレーヤー層では最も売り上げに貢献してくれるユーザたちのやる気を削いでしまうというデメリットは大きすぎる。
自社の製品のセールスをする意味でも、やっぱり店舗予選はやるべきだったよ。
抽選やるにしても応募媒体がハガキってのはまずかったね。
シールという物理的なモノの移動が発生する声優イベントと違って、公式大会の応募をハガキにこだわる理由なんてどこにもない。
普通にメールで募集して当選者を公式HPで発表、キャンセル待ちは優先順位つけて発表とかでも良かったと思うけどなー。
手間隙かけてハガキ書くの本当に面倒だったし、メールじゃ駄目な理由が最後まで分からなかった。
どうせ入場の時点で身分証明書提示しなきゃいけないんだから不正なんてやるだけムダでしょ。
○当日やること
・物品移動、設営、誘導
どのイベントにも共通してるのがコレ。
今回の参加者の日記を見る限り、この手のイベントにありがちな「どれがどの列か分からない」という混乱は殆どなく、並ぶ列は明確に分かっており、誘導もしっかりしていたという意見は見られる。
ここはきっちり評価して、何で良かったのかを明確にして次に受け継ぎたいね。
このイベントの数少ない評価ポイント。
問題なのは、これができたのはUDXのスタッフの運営力や打ち合わせがあったかどうか。
会社独自でこの誘導や設営が出来たんなら良いけど、UDXのスタッフの力だけで誘導が成り立ってたんなら次回以降はUDXスタッフのノウハウを十分吸収しなきゃいけない。
上手くいったことこそ何故上手くいったかを振り返るのは重要。
・公式イベント
決められた席数で淡々とこなすだけで、他TCGと比べるべきポイントというポイントもない。
強いて言うなら決勝卓を大画面で映して(やってたらしいね)、ustreamで中継するとか、もっと工夫しようと思えば出来る余地はあった。
そこまでお金をかけない方法でも現地にいない人間に優勝者決定の瞬間をリアルタイムで共有させて「イベントに参加してる感」を出すことは可能だったように思える。
現地にいない人間に「イベント参加してる感」が出たら、さっきもちょっと触れたけど「大会に実際に参加したい感」は醸し出せるし、それで次予選抜けたら出たくなるよね。
一見当日の進行には何の反省点もないように見えるけど、他TCGでやってることを取り入れればまだまだ改善点はあるだろうし、プレメモならではの工夫とかもガンガンやるべき。
メインイベントの1つなんだから。
・声優イベント
スペースの点でも触れたけど、実際のタイムスケジュールは結局観客側のスペースを作らないといけないような日程になってしまったっぽいね。
ここは流石に出演する声優との調整が必要な部分だから開催側じゃどうにも出来ないけど、検討くらいはすべきだったんじゃないかな。
声優イベントをやるって発想が出たのは評価するべきかなーとは思う。
・物販
当日にやったイベントの中で恐らく最も失敗したのがコレ。
失敗した点と原因を結びつけて考えてみる。
(原因は複数あるだろうけど、一番大きなものを考えてみた)
1.物販の進行が遅かった
→簡単なノウハウ収集やシミュレーションを怠った
2.早い時間帯に売り切れを出してしまい、商機を逃してしまった
→需要予測が外れてしまい、発注数を誤った
1.について。
マイミクによると、物販開始より前に並んで12時半で買えずに列を抜けたらしい。
どうやったらこんなに物販が遅くなるのか想像も出来ない。
レジが何個あったのかは俺にはわからないけど、まさか1つじゃないだろうし、少なくともこのイベントの唯一の経済活動なんだから会社側は絶対力を入れるべき。
…にしても、ノウハウ収集やシミュレーションを怠った理由はマジでわかんない。
大体、この手のイベントの物販って、1人の客に1分以上かけたらそれで失格。
会場を押さえるのと違って、物販だけは来場者予測にハガキも使えて当日は当初計画より多くの来場者が出ることが予測できたんだから、行列が出来ることも当然予測できたはず。
つまり販売スタッフには1分1秒でも早く客を捌くことが求められる。
…こんな販売ノウハウ、今の時代に検索すればいくらでも出てくるよねw
例えば夏に参加した水樹奈々のドームライブの物販だと、
★レジを複数用意する
★物販で売るものを列の途中に見せ、客にレジに到着した時点で何を何個買うか決めさせる
★客に、商品名じゃなく番号で指定させる
★レジ側に客に対応する側と品出し側でチーム作る
★当然、商品の値段は丸めて会計で細かいお金を使わせないようにする
少なくともこれぐらいはやってた。スタッフの合図とかにも意味があっただろうし、多分当日雇われたバイトでも難なくこなせるぐらいシステム化されてたと思う。
問題はこんな誰でも思いつきそうで、ググればすぐに出てきそうなことを一切やってなかったこと。
来場者予測や、後述する需要予測という不確定要素が絡んでいるモノと違ってこんなの稼動考えても検索1時間してミーティングにちょっと持って行くだけでしょ。シミュレーションもネットに乗ってるノウハウをホワイトボードとマグネット使って実践するぐらい簡単にできそうだし。
多く見積もって2時間ぐらいの稼動をケチる理由が分からなさ過ぎる。
何でもそうだけど、仕事をやる上で出来ないことや難しいことをやる必要なんて一切ないし出来なくても文句は言わないけど、誰でも簡単に出来ることをサボって客に迷惑かけるのは会社として許されないよね。
当然ながら今回客に与えたマイナスイメージで失った損失は2時間の稼動なんかとは比べもんにならんと思うよ。
その点で言うと2.は難易度が高かったなー。
モノ作りの工程がある以上発注期限内に今回のイベントで希望者全員に行き渡る(ある程度の売れ残りが出てもかまわない)ぐらいの数を発注する勇気を持つ必要があったかと言われると、難しいよね。
最も信用できる来場者予想ツールであるハガキの数だって、とてもじゃないけど発注期限に間に合ったとは思えない。
しかしながら今回は明らかに商機逸脱で、もし希望者全員に行き渡らせた場合の利益と在庫を抱えてしまった場合の損失を考えたら、会社に出入りするお金のプラマイで考えると絶対値はほぼ同じなんじゃないかと思う。
サプライ系は競争が激しいけど、例えばけいおんバインダーとかなら他TCGプレーヤーにもある程度売れるだろうし、現状の梓や澪のスリーブに定価以上の値段がついてることを考えてもある程度余らせるぐらいの気持ちで作っても良かったのかもしれないね。
結果論だけど、現実にはそれぐらいの気持ちで作ったとしても完売なんだし。
それに案外プレメモプレーヤーってサプライに入ってるプロモ1枚から生まれるのかも知れないしさ。
難易度は高いけど、やるやらないのメリットデメリットを冷静に比較して、完全に回避不可能か?と言われるとそうでもないというところで決着か。
・物販や来場者特典で配った紙袋
会場選びで散々コキ下ろしたUDXだけど、他の会場には絶対にまねできないUDXならではのメリットもあるにはあった(というか、これのために差額をあえて支払ったんだと思うぐらいのメリット)。
宣伝効果である。
秋葉に行くぐらいの人だからプレメモ参戦作品のうち1つくらいは知ってるだろうし、その人たちの数%でも未来のユーザーになってくれたら、差額なんて余裕で取り戻せるぐらい、UDXの立地そのものは良かった。
UDXは秋葉の駅から電気街に行くまでに必ず通るから、まず通行人に「何かイベントやってるな」とは思わせることができる。
あの大型モニターを使って延々宣伝するのは少なからずとも何らかのメリットに働くだろう。
さて、実際当日はどうだったのか?
イベント当日のプレメモ知らない人にとってプレメモフェスタが与えたファーストインパクトは「何かイベントやってるな」以上に「何あのすごい人だかり」という、自社製品のプラスイメージよりはるかに大きなマイナスイメージを与えてしまったことは事実だ。
他にも紙袋を持っている人が秋葉周辺を練り歩いてくれることも宣伝の1つとして十分使える方法だったけど、デザインが思いのほか地味で、何の紙袋なのか分からなかったのは残念。
ここはイカ娘あたりに「カードゲームやらなイカ?」「カードの世界を侵略するゲソ!」とか景気のいいこと言わせたり、桐乃に適当な台詞言わせるとか(ごめん何も思い浮かばなかったw)、自社製品と参戦キャラが直接的に結びつくような、一目見て何のイベントかわかるような紙袋にすべきだったよ。
オタク紙袋は参加者の心理的にも他の会場じゃハードル上がるだろうしね。
他にもちょっとの工夫で色々出来たことなんていっぱいあるんだろうけど、総じて言えることとして、会場費が高いというデメリットがあっても秋葉原駅前徒歩数分で通行人の視線が集まるメリットのあるUDXを選択しておきながら、その好条件を最大限にイカせているかといったら全然出来てないじゃなイカ!と言わざるを得ないでゲソ!!!
…ごめん酒飲みながら裂きイカとイカの塩辛食ってたら文章のテキトーさが増大してしまったw
○まとめ
今回のイベントについて色々書いてきたけど、一番重要なのは会社側がこのイベントを「失敗した」と捉えて、次の大規模イベントに今回の反省点を反映して、同じ失敗を繰り返さないことだよね。
幸い他TCGの酷いイベント見せ付けられて鍛えられてる客は大体初回はこんなもんかって思ってくれてるし、次回で巻き返したら今回の酷さがベースだから印象大幅アップのチャンスとも捉えることができる。
また近々大きなイベントをやって、今度こそ大成功させて欲しい。
まかり間違っても今回のイベントを「人が集まったし大成功だ!」とか勘違いして、今回と同じ失敗を繰り返さないようにしないと。
仏の顔も3度までとはよくいうけど、今回のファーストインパクトでおなかいっぱいの人は次は来ないから、次のフェスタに来るのは本当のお客さんだよ。
そこで似たような失態を犯したら、3度待たずに見放すだろうね。
プレメモの今後の発展を祈るからこそ、会社側にはこれぐらい謙虚に受け止めて欲しい。
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by soekawaarit0
| 2010-12-20 23:44
| precious memories